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日蓮正宗法華講 妙霑寺支部のサイトです。

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岡山県岡山市北区津高781番地 妙霑寺内

『娘の祈りに動かされてお寺へ』

常泉寺支部 Y. I. 

(H13.11.16)

 皆さん、こんばんは。私は、平成12年12月3日に入信いたしました。本日は入信に至るまでの体験をお話させていただきます。

 私は現在、千葉県柏市に在住し、一男二女の3人の子を持つサラリーマンです。団塊の世代の少し前の昭和18年生まれで、所得倍増、列島改造、高度成長と右肩上がりの昭和40年代から50年代を企業戦士として働き続けた一人です。

 宗教に関する青年時代の記憶をたどりますと、『宝島』を書いたイギリスの作家スティーブンソンの随筆『若き人々のために』を読んだ当時のことが蘇ります。この中に恋愛論や結婚論があるのですが、特に記憶にありますのは、西洋においては、結婚の条件の1つに挙げられるほど、宗教や信心は大切なことだといっていた点であります。

 ところが我が身を含めて大多数の日本人を振り返ってみますと、お寺というのは葬式や法事をする所、お彼岸にお墓参りをする所、というのがせいぜいで、宗教と信心は切り離して考えておりまして、ましてや宗教や信心が結婚の大切な条件の1つであるとは考えてもいなかったのではないでしょうか。

 私自身も、私の父が70歳を過ぎて父の実家の菩提寺に一緒にお墓参りをするまで、自分の家が天台宗であることを、全く知らずにおりました。

 そんな無信心な人間でしたが、人並に結婚し子供を3人育て、サラリーマンの終着駅である定年まで、あと少しのところまで歩み続けることができました。子供たちに対しては、学校を卒業した後は自分の人生、各自の人生を大切にするよう、言ってはおりましたが、2番目の子供であり、この信心を勧めてくれた娘が、当時、父親の私にたいへん反抗的でありました。

 私は仕事柄どうしても服装や職業で人を判断する習慣が抜けない上、一流校・一流企業をめざすのが人生の幸せと思っていた節もありました。その娘が、親に相談もなく勤めを辞め、独り暮らしを始めた上、しばらくして商売を始めると言ってきたときはたいへん驚き、心配もしましたが、がっかりもいたしました。

 短大を出て、専門学校まで卒業しながら何で行商人のような生活を始めるのかと思い、問いただそうとしましたが、「お父さんは身なりや職業で人を判断する悪い癖がある」と言われたことを思い出し、黙っておりました。

 家内にはいろいろと相談し、少々の援助も受けていたようですが、素人が始めたビジネス故、うまくいかず悩んでいたようでした。

 そんな折、娘は、常泉寺支部男子部のS君から入信を勧められ、信心していくうちに、生活その他、身の周りのことが、徐々に整ってきたようでした。

 そんな娘の苦労も知らず、私はゴルフや旅行に明け暮れる生活を送っておりました。家内は私の退職後や老後のことを考え、夫婦2人でできる生き甲斐として健康飲料水の普及を手がけておりました。これが軌道に乗りかけた頃、娘から日蓮正宗に入信したと聞かされました。

 いつも自分の判断で行動する娘ですから、反対して親子ゲンカになるのは避けたいと思い、「ああ、そうかい」と言うに留めました。とは言っても、新興宗教にマインドコントロールされたのではないかという心配はありましたので、「日蓮正宗というのは創価学会か」と聞きましたら「違うよ」という返事でした。

 翌日、書店で学習研究社から出版されている『日蓮の本』という書物を購入いたしました。日蓮各宗派系チャートに日蓮正宗の名前があり、新興宗教でないことを知り、安心した次第です。

 私の宗教に対する認識は無に等しく、父が亡くなったときに墓地を購入し、お墓を建立しなくてはならないという必要に迫られ、当時少しは仏教について本を読んで調べはいたしましたが、日蓮宗は宗派が多いこと、創価学会、霊友会、立正佼成会も皆同じ宗派なのだというくらいの認識でしたから、正しい宗教が何であるかも判らず、ただ墓石に御題目を刻んでもらい、親類や知人の葬儀などには、「南無妙法蓮華経」と唱えたり、曹洞宗の法事で般若心経を読まされても何も感じないありさまでした。

 父が亡くなるまでは家に仏壇がなかったものですから、宗教や信仰にはほとんど無縁の生活を送っていたわけです。

 娘から何度となくお寺へ一緒に行ってほしいと言われていましたが、いつも1週間くらい前に突然電話で言ってくるものですから、スケジュールが入っていると断っておりました。

 あるときも、娘が、お寺で体験発表するから聞きに来てほしいと言ってきましたが、突然の誘いでもあり、ゴルフの予定が入っていたので断ったところ、電話の向こうで娘が泣いておりまして、これにはさすがにびっくりいたしました。

 泣くほど大切なことだったのかと反省いたしまして、早目に予定を知らせてくれれば出席すると約束いたしました。

 昨年の11月中旬頃、お寺で大切な行事があるので、来てほしいと言われました。12月3日の常泉寺の「お虫払い」の法要の日だったのです。そのとき初めてお寺に行く約束をしましたが、我々が断るのではないかと娘からは何回も確認の電話が入りました。

 そしていよいよ12月3日、東武伊勢崎線の業平橋駅まで迎えに来てくれた娘と、初めて常泉寺の山門をくぐりました。本堂にはたくさんの御本尊様が本堂一面に掛けられ、ご年配の方々や若い方たちに混じって、子供たちまでが集っており、その方々の生き生きとした雰囲気に圧倒されはしましたが、このとき娘の選択は間違っていないと確信いたしました。

 法要の後、場所を変えて執事の須藤正伝御尊師からお寺や宗教・信心に関するお話を伺いました。折しも平気で弱い人をいじめ、死に追いやる事件が次から次へと報道される今の世の中に疑問を感じ、これからの人生の中心に信心を据えることを考えていた折でもあったため、執事様のお話にはたいへん心を動かされました。

 また、同席してくださった桜井ご夫婦からの熱心なお話とお勧めに、御授戒を受ける決心をし、その日の夕の勤行で御授戒を受けさせていただきました。

 信心することの難しさも、たいへんさも考えず入信いたしましたので、入信後は、早く娘に追いつこうと日蓮正宗の出版物をS様からお借りして読み始めました。

 娘からも勤行と唱題の大切さを教わり、早速始めました。朝は出勤前にと4時半に起床、5時に朝の勤行を開始、夜は帰宅後9時に夕の勤行を開始することを日課として生活に取り入れました。勤行の仕方も判らないため、土曜・日曜は予定のない限り常泉寺へ伺い、朝の勤行をさせていただきました。

 そして次に御本尊様をお迎えする準備にかかりました。先ほども申しました通り、父の実家は天台宗でしたが、我が家では日蓮宗の仏壇に父の位牌が安置してありました。これは、父が生前、家の近くなら我々子供たちにとって墓参りが面倒にならないだろうと言っていたことから、徒歩15分くらいの日蓮宗・妙蓮寺に墓地を求めたためであります。

 御本尊様を御安置させていただくにあたっては、母と何度も相談いたしました。日蓮正宗の正しい仏壇に換えることや、位牌を仏壇に置けないこと、墓地のあるお寺との今後の付き合い方などなど、母の心配を取り除き、今年の4月8日に母も御授戒を受け、御本尊様をお迎えする準備が整いました。

 そして今年6月9日に無事御本尊様を御下付戴くことができました。その足でお忙しい中、執事様にお運びいただき、S様父子、青年部長のO様、青年部の皆様に多数ご臨席いただき、賑やかに御本尊様をお迎えし、御入仏させていただくことができました。

 御入仏までの約半年間、会社が休みとなる土曜・日曜は常泉寺様の朝の勤行に時間がある限り参加させていただきました。今後もこれは続けたいと思っております。これは、家内が太鼓の音を聞きながら御題目を唱えることを楽しみにしているからです。

 御本尊様をお迎えした翌々週の6月23日、24日には第7回夏期講習会に参加いたしました。御法主上人猊下様直々の御講義を拝聴する機会に恵まれ、宗旨建立750年に向かう最後の講習会に未熟ながら参加できた幸運を感謝しつつ、下山いたしました。

 この気持ちを忘れず、 「無益(むやく)の事には財宝をつ(尽)くすにお(惜)しからず。仏法僧にすこしの供養をなすには是をものう(物憂)く思ふ事、これたゞごとにあらず、地獄の使ひのきを(競)ふものなり。寸善尺魔と申すは是なり」(御書1457ページ) という大聖人様の御言葉を心に留め、精進してまいりたいと思っております。

 折しも宗旨建立750年、奉安堂建立という大事な時期にこの信心に巡り合わせていただけた幸運を思い、できる限りの御供養をさせていただこうと心に誓っております。

 また、我が家にはこの信心を勧めてくれた娘の他に2人の子供がおりますが、まだ入信しておりません。法統相続をきちんとしていくのが親の勤めですから、娘から教えられた正しい信心が2人の子供たちに伝わるよう、唱題に励みたいと思っております。

 健全な若木が大木・銘木に成長していくように、伸びゆく青年時代にこそ信仰に励むならば、どれだけ大きな人生の力となり、強固な礎えとなるであろうことを早く気付かせたいと念じております。

 また本日ご参加の皆様の中には、ご両親の折伏に苦戦されている方も多くあると聞いております。子供に折伏された親の体験から、たいへん僭越(せんえつ)ですがアドバイスさせていただけば、
 1つ目には、決して諦(あきら)めずにお寺の行事にお誘いすることです。かわいい子供から誘われていつまでも断れるものではありません。必ず来てくださると思います。そこで御住職様や法華講の皆様のお力添えがあれば御授戒を受けてくださることは間違いないと思います。

 2つ目に、大聖人様の御言葉を引用してご両親にお手紙を差し上げるのはいかがでしょうか。私も娘の里香から私の誕生日にファクシミリで、「蔵の財より身の財、身の財より心の財」と大聖人様の御言葉を送られ、物のあり余る現代社会を生きている人間として大いに反省し、感銘を受けたものでした。

 3つ目には、「祈りとして叶わざるなし」との御言葉を固く信じて唱題に励むことです。これは入信後にO青年部長からお聞きしたことですが、娘が私共夫婦のために一生懸命唱題に励んでくれたそうです。その祈りが通じ、夫婦揃って御授戒を受けることができたと感謝しております。

 以上3つのことを実践し、この正しい信心をすることによって、これまでとは違った自分の姿をご両親に見ていただくことです。生き生きと生活している子供の顔や姿を見て、必ずや親御さんは心を動かしてくださるだろうと思います。  

 最後になりましたが、明年の宗旨建立750年・法華講30万総登山にはまだ入信していない2人の子供を必ず折伏することを決意し、そして常泉寺支部誓願2000名を名実共に成就できますよう「一人が一人の折伏」と「唱題」により一層励みたいと思います。

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