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日蓮正宗法華講 妙霑寺支部のサイトです。

TEL 086-255-1155

岡山県岡山市北区津高781番地 妙霑寺内

『執着破り前進』

法楽寺支部 T. T. 

(H13.7.16)

 これからお話することは、13年前にさかのぼって息子が病に倒れ、今日まで御本尊様の大慈大悲に守られて、命があることをお話させていただきます。

 私は昭和33年両親と共に何も判らないまま入信し、自分の子供が病気になるまで悩みという悩みはなかったように思います。

 平成元年8月、小学6年生であった次男が、口の中に腫瘍ができ、頸骨が鍋底ほどの薄さになり、小さな衝撃でも骨が砕けてしまう状態であると判り、腫瘍と歯3本を取り除く手術を行いました。

 検査の結果腫瘍は良性でしたが、10年近くは再発の可能性が 70%はあるので年に1、2度検査通院をするということで8月27日無事退院することとなり、御本尊様に「守っていただきありがとうございました」とホッとひと安心した矢先、次男が退院する朝、今度は三男が病に倒れました。

 脳の中にいらない血管がある脳動静脈奇形という病気で、そのために起こった脳内出血でした。はじめは出血を止める薬で処置していましたが、命が危ないということで急遽手術となりました。

 手術は無事終ったのですが、担当医による説明は、「命の危険はなくなったけれど、これからは寝たきりの生活だと思ってください。もし歩くことができたとしても、右半身不随により装具をつけなくてはなりません。さらに言葉を全部忘れてしまう失語症、右半分見えない半盲症です。今回は出血を止めるだけの手術だったので、脳の腫れがひいたら、いらない血管をすべて取り除き、一時はずした頭蓋骨をもとに戻す手術をします」とのこと。

 そして一番ショックだったのは、「首から下の病気は治れば回復と言いますが、頭だけは出血した場所は壊れたということで、脳の働きは二度と機能することはない」と言われました。しかし、今では嘘のようです。

 三男は、集中治療室での面会のたび、お念珠を持たせてやると、必ず二つの房を確認し、少しだけ動く左手の中指にかけていました。そして忘れられないことは、言葉をすべて失った子供の口から一番最初に出た言葉は「南無妙法蓮華経」でした。

 御本尊様の大慈悲により奇跡と思えるようなことがたびたび起こりました。振り替えってみると、そのときどきに色々な不思議なことがありました。

 病に倒れる前夜、三男自身が夜中の12時くらいまで唱題をしたこと。病院に運び込むとき、台風が来ていて一足遅ければ通行止めになっていた所を抜けられたこと。当直医が脳神経外科の先生であったこと。二度目の手術がちょうど、御報恩御講の日時に行われたこと。退院後のリハビリについても、通常週に1回多くても2回マンツーマンで行われる言葉の教室の授業を毎日受けられたこと。数えればまだいっぱいありますが、すべて御本尊様の御加護により不思議な力で荷っていただけたのではないかと思います。

 その上、まだ学会員だった私共に、御住職・伊藤信道御尊師には当病平癒の御祈念をしてくださり、さらに法華講の方々には題目を唱えていただき大勢の方々に守られ今日があります。心より感謝申し上げます。

 平成3年10月23日、創価学会が破門されたことを機に法楽寺に詣り、法華講に入講させていただきました。それからの三男は、新居浜市長旗杯の陸上100メートル走で優勝、市の中学校弁論大会では学校の代表として4枚の原稿を丸暗記して発表するなど、あれだけ大病をした子が考えられないほどのことを成し遂げました。

 ところが高校受験の話が出始めた頃からそれまで起きたことのない脳の障害による難治性症候性てんかんという発作が起こり始めました。

 一年間で4、5回の入退院を繰り返しながら6年間、学生生活を送ってきました。心配していたいじめも一度もなく、むしろ、発作が起きたときは助けていただけました。ただの一度もご父兄より不満の声がなく、また先生方よりはどんなことがあっても手助けするから卒業するよう励まされました。感謝してもしきれないほどでございました。

 一昨年3月、法楽寺支部の区長をとのお話をいただきました。このとき私は、「年に何回も入退院を繰り返し、長いときは2カ月も入院する子供を抱えている私に、なんで…」と思い、お受けすることなどできるわけがないと、返事がなかなかできませんでした。

 しかし、主人が協力すると言ってくれ、中途半端な気持ちのまま、初めての役員会に出席することになりました。役員会当日、協力すると言ってくれた主人は仕事の都合で時間になっても帰宅することができず、私は、後ろ髪を引かれる思いで役員会に出席しました。

 終了後、御住職より、「子供のことに執着するでない。子供の病気ばかり考えるでない」と、御指導を受けました。

 それからというものは、法華講員の幸せと広宣流布のことだけを願ってきました。その結果あれだけひんぱんに起こっていた発作がピタッと止まっています。

 今年の1月の血液検査での主治医の話によると「いつ発作が起きてもおかしくない状態である。けれどなぜか判らないけど、起こらないようになっている。十分注意するように」とのことでした。しかし現在、何事もなく元気にやっています。

 また、検査通院していた次男も、今年よりしなくてよくなりました。今は子供のことを心配することなく、いつでも広布のお手伝いをさせていただけることを幸せに思います。後ろ髪を引かれた頃が嘘のようです。

 「我が身・我が家・我が子だけの願いという二乗根性を捨てて、広宣流布のために悩むことにより、自分の宿業である小さな悩みは解決することに気づいてほしい、体験してほしい」との御住職の御慈悲溢れる思いを感じることができました。

 御住職が常々御指導くださる、「過去の因を知らんと欲せば、其の現在の果を見よ。未来の果を知らんと欲せば、其の現在の因を見よ」(御書571ページ)この御金言を常に心に刻み、何が起ころうとすべて、自分自身が犯した過去世の謗法の罪であり、何としても今世で罪障消滅していきたいと思います。

 御法主日顕上人猊下の御指南に、
「心を浄くしていく気持ちの中からは、自分自身に対しても、また、ほかの人に対しても温かい心が生じてくるということであります。このことは、人間として大切です。自分中心の欲望に落ち込んでしまいますと、色々なことから瞋(いか)りや貪りを生じて、本当に自他を温かい心で見つめていくことを忘れがちになります。日常の生活のなかでも、この温かい心を常に持って接していくところに、また大きな幸福が訪れてくると思います」(大日蓮613号)と仰せられています。

 あらゆる魔にたぶらかされることのないように、また自分の心の中の魔に負けないように、御本尊様に邪見・我見の命・歪み・ひがみの心をなくす唱題をし、仏法僧の三宝に帰命し、御報恩の誠を尽くしていきたいと思います。

 50年に一度巡り来る大佳節を明年に控え、30万総登山の推進、奉安堂建設御供養、折伏誓願目標の完遂に向け、御法主日顕上人猊下の、「一切を開く鍵は唱題行にある」(大日蓮635号)との御指南のごとく、真剣な唱題を自ら唱え、講中のすみずみにまで声をかけ合い、宗旨建立750年の大慶事を歓喜の中で迎えられるよう精進していきます。

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