本文へスキップ

日蓮正宗法華講 妙霑寺支部のサイトです。

TEL 086-255-1155

岡山県岡山市北区津高781番地 妙霑寺内

藤 の こ ぶ

 ある在家の人が山寺の僧を信じて、世間のことも出世間のことも一切、なにごとにおいても深く憑んでいた。
 病気にでもなれば、薬なども何を服したらよいか尋ねていた。すると、この山寺の和尚は別段、医道の心得もないのに、すべての病に「藤のこぶを煎せんじて飲めば治る」と教えていた。在家の人がこれを信じて用いると、すべての病が癒えぬということがなかった。
 また、ある時、馬を失ったので「どうしたら見つかりますか」と尋ねると、例の「藤のこぶを煎じて飲みなさい」と言うのであった。僧の話は承知しがたかったが、何か理由のあることであろうと信じて藤のこぶを飲み、近くの馬を探し尽くしたが見つからなかったので、少し遠い山の麓に行き、そこを探すと、谷のほとりで失った馬を見つけることができた。これも信のなすところであろう。
  ******************************************************************
 これは『沙石集(しゃせきしゅう)』の一文で、日寛上人は「信心深ければ工みならぬことを信じてさえかくの如し、いわんや要当説真実の経をや」と言われている。
 誤ったことを信じるのは妄信であるが、正しい教えを深く信仰することは仏道の根本である。
        (新説結座説法)


 
inserted by FC2 system