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日蓮正宗法華講 妙霑寺支部のサイトです。

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岡山県岡山市北区津高781番地 妙霑寺内

毛 宝 と 白 亀

 晋の毛宝が年十二の時、江口(大きな川のほとり)で遊んでいた。すると漁師が一匹の白亀を釣りあげるのを見た。毛宝はかわいそうに思い、なにがしかの銭を払って亀の身がらを引き取り、川の中に放ってやった。
 二十余年後、毛宝は邾城(ちゅうじょう)を守備していた。そこに石虎将軍が沢山の兵をつれて攻め寄せて来たので交戦となったが、城を守れず敗れてしまった。身を川に投げて自殺をはかったが、脚は石を踏んだようだった。それは亀の背であり、亀は毛宝を岸に渡してくれたので死なずにすんだ。首をめぐらして見ると、それは昔、自分が放してやった白亀であった。亀の体長は四尺余になっていて、向きを変えて中流までいくと首をひねって毛宝を見ていた。毛宝は捨て去るのに忍び難い気持ちになったのである。
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 これは琅邪代酔(ろうやだいすい)に説かれているものであるが、亀の報恩譚は蒙求(もうぎゅう)などにも見られる。
 日寛上人は亀を例にして、人間が報恩を尽くすべきことを述べられたのである。
(歴代法主全書六巻)


 
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