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日蓮正宗法華講 妙霑寺支部のサイトです。

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岡山県岡山市北区津高781番地 妙霑寺内

諸宗破折ガイド 新興宗教 法華宗系 妙道會教団

七 妙道會教団

  創 立   昭和26年2月
  創始者   佐原忠次郎(聖師)、妻俊江(普師)
  現後継者  理事長 佐原陽二(忠次郎の2男)、「佐原慶治」として2代会長を兼任
  崇拝の対象 日の御本尊
  経 典   法華三部経
  本部所在地 大阪市天王寺区松ヶ鼻町4―34
  聖 地   滋賀県滋賀郡志賀町栗原
  信者数   210,000

【沿革】
 妙道会教団は、霊友会第11支部長であった佐原忠次郎とその妻俊江が、昭和26(1951)年2月、同教団から分派独立して創設した教団であり、関西を教勢の中心としている。
 佐原忠次郎は明治33(1900)年4月、大阪市中央区船場の商家・佐原商店に生まれ、幼名を孝次郎と名付けられた。明治大学在学中に助野かる(教団設立時に俊江と改名)と結婚し、卒業後、生家の家業を継いだ。佐原商店は資生堂と並ぶ化粧品業界の草分け的存在であったという。
 昭和10(1935)年、子供の虚弱の悩みや、番頭の誘いから夫婦とも霊友会に入会する。
 同11年、夫婦がそろって「だれか世を救う者はいないか」との霊夢を見たとし、忠次郎はこれを天啓として事業をやめ、宗教活動一筋の生活に入る。さらに同14年には工場を改装し、関西における霊友会の最初の道場を開いた。
 忠次郎はその後も第11支部長として活動するが、昭和26(1951)年2月、51歳のとき、霊友会の金塊・コカイン隠匿事件や脱税事件を機に同会を脱会し、大阪市南区北桃谷町三六に妙道會教団を開創する。
 忠次郎は妙道會教団の理事長に就任し、独自の経典『在家祖先回向要品(回向要品)』を作成。翌27年には「三大誓願」「家庭実践要訓(聖訓)」などの教団の指針を発表し、布教活動をはじめる。そして昭和28年に宗教法人の承認を得、同31年に本部を現在の大阪市天王寺区松ヶ鼻町に移転する。
 昭和33年3月、忠次郎は妙道會教団の本尊として「日の御本尊」を作成するが、同年8月、58歳で死去。これによって翌34年、妻俊江が会長に就任すると、程なく天啓があったとして、滋賀県志賀町栗原を聖地と決定し、さらに教団組織の拡充に着手するが、同44年、64歳で死去する。
 同46年、佐原夫妻の長男は早世しているために2男の慶治(陽二)が2代会長となり、同50年に滋賀県志賀町栗原に大塔を建て聖地開きを挙行。現在、教団体制も支部制から教会制に移行し、7段階の導師指導体制にするなどの改正をしているが、教勢としては特別な変化はみられない。

【教義の概要】
 妙道會の教義の根本は創始者佐原忠次郎によって示された三大誓願に集約されている。その三大誓願とは、
 一、われら誓って妙法華経に帰依し奉る
 二、われら誓って日夜御先祖を供養し奉る
 三、われら誓って大法を宣布し思想を善導し奉る
というもので、法華経を真実の教えと信じ、その信仰的立場から先祖供養を実践し、その教えを世に広めるとしている。
 先祖供養について忠次郎は「現代に生きる仏教にするには、在家において家庭全体が、自らの先祖のご供養を実行するほかにないと確信する。(中略)いかなる仏道修行も、先祖供養の実行を欠いては魂のぬけたものになる」(語録)と、ことさら先祖供養を強調している。
 また、妙道會の教えの柱となるものに「家庭実践要訓(聖訓)」12項目がある。これは忠次郎が「法華経の真髄を現代風にわかりやすくまとめた」というもので、これを「聖訓身読」したならば成仏できるとしている。それは次のようなものである。
 ①夫婦両家のご先祖を朝夕回向供養しましょう。
 ②国家繁栄、社会発展を祈願しましょう。
 ③戦没者のご冥福を祈りましょう。
 ④天候を念じ、産業の増進を祈願しましょう。
 ⑤男子も女子も邪見をはなれ、お互いに優しい人になりましょう。
 ⑥礼儀正しく言葉づかいを考えましょう。
 ⑦常識は自己を離れて考えましょう。
 ⑧感情に走ることをつつしみましょう。
 ⑨深く因果を信じ、懺悔新生活をしましょう。
 ⑩大善を目標とし小善より実行しましょう。
 ⑪社会および家族の人のためになることを実行しましょう。
 ⑫今日一日の生活を喜びましょう。
このうち、①は開、②~④は大乗の祈り、⑤~⑧は自行、⑨~⑪は他行、⑫は結とし、具体的に時に応じて実践することが求められている。
 本尊は、佐原忠次郎が昭和33年に開顕したする、南無妙法蓮華経と日輪による左記のような形式の「日の御本尊(末法救護の日の御本尊ともいう)」であるが、これについての忠次郎の説明は残されていない。
 依経は法華三部経であるが、釈迦牟尼仏は本尊ではなく、依経である法華経を説いた教主として敬う存在であると位置づけている。また法華経の講義は全くせず、勤行として読む程度である。さらに日蓮大聖人についても法華経を実践した1人としての位置づけでしかないが、教化のうえで御遺文を使うことはあるという。
 信徒の修行は、朝夕の勤行を基本としている。総戒名に対し灯明一対、線香7本(題目の七字による)を上げ、たすきを掛けて『在家祖先回向要品』を読誦し、霊鑑(過去帳)によって先祖供養をする。
 布教することを〝おみちびき〟といい、入信した会員の世話をすることを〝おはからい〟といって力を入れ、関係が絶たれぬよう努める。
 そのほか、各教会では月1回、法座と称して信徒が集まり、お互いの体験を話し合ったり、悩みをうちあけてアドバイスを受けることなどが行われる。また本部で行う本部法座では体験発表、会長・幹部の指導などが行われる。
そのほか聖地での宿泊修行、身延七面山登山修行、伊勢神宮団参などがある。
 さらに信徒の守るべき事項として、先の「聖訓」に呼応する形で「今日一日、悪舌は、つかわなかったですか。今日一日、自己本位のものの考え方はしなかったですか。」などの「日々の反省」が要求される。
 なお教団では、霊的なことについては、その必要性はないといっている。

【破折の要点】
◆妙道會の本尊は、創始者の忠次郎が開顕したとする「日の御本尊」と称する日の丸に南無妙法蓮華経を重ねたものであるが、これは日蓮大聖人の教えにはまったくない本尊であり、しかも本人が説明しないまま死亡したために、意味不明の本尊である。すなわち、思いつきの本尊に過ぎない。

◆妙道會では先祖供養を強調し、それが法華経の教えであるとして先祖供養をすることによって幸福になると教えている。しかし、その人の幸・不幸は先祖供養の有無によって定まるのではなく、法の正邪とその人の業、因縁、あるいは日頃の行いなどによって顕れてくるのである。また法華経の教えは、法華経こそが真実の教えであり、それを弘めることを主眼としているのであり、先祖供養による幸・不幸を説いたものではない。
 したがって、妙道會の教えは、凡夫には分からない過去と、誰しもが持つ先祖への敬愛を巧みに利用したスリカエである。

◆妙道會の教えの柱である「聖訓」は、単なる一般的な道徳であり、宗教に関係なく人間として、守り行うべき当然のことを並べただけである。
 仏法の甚遠で真実の教えがないため、当たり前のことを、さも特別なことのようにいっているにすぎない稚拙なものである。


 
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