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日蓮正宗法華講 妙霑寺支部のサイトです。

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岡山県岡山市北区津高781番地 妙霑寺内

諸宗破折ガイド 新興宗教 仏教系 念法眞教



一 念法眞教


  立 教   昭和14年8月3日
  創始者   小倉霊現(親様)
  現後継者  稲山霊芳(三代燈主)
  信仰の対象 天之御中主大神(産土神)、久遠実成の阿弥陀如来
  教 典   法華経、浄土三部経、初代霊現著『念法法語集』『念法眞教教義綱要』
  本部所在地 大阪市鶴見区緑
  信者数   543,625
  名称の変遷 神仏眞霊感応会・神仏眞霊感謝会(昭和3年) 天台宗金剛教会(昭和14年) 単立法人「小倉山金剛寺」(昭和22年) 宗教法人「念法眞教」(昭和27年)

【沿革】
 念法眞教は、小倉霊現が久遠実成の阿弥陀如来からの霊告を受け、現世に極楽浄土を建設することを目的として創設した天台宗系の教団である。
 小倉霊現は本名を小倉庄太郎といい、明治19(1886)年9月、大阪府東成郡鯰江村今福(現在の大阪市城東区)に生まれた。父親は庄太郎が生まれる前に病死したため、庄太郎は母方の祖父母に育てられた。その後、祖父母が相次いで亡くなったため、庄太郎は小学を4年で中途退学し、手に職をつけようと大阪市内の鍛治屋や今福の乾物屋に丁稚奉公に出た。19歳になった庄太郎は、さらにそれから約2年の間に、大阪砲兵工廠の臨時工、町工場の工員、船員見習、高利貸の手伝いなどといった職を転々とした。
 明治39年、21歳で軍隊に入隊した庄太郎は、淡路島要塞の重砲兵となり、翌年には横須賀要塞の砲兵射撃学校に入学した。陸軍士官学校の野外演習に要員として参加した際、軍務教官から「ある死刑囚に、この劇薬を3滴飲めば必ず絶命すると繰り返し暗示を与えながら、実際は水を与えたところ、その死刑囚は2滴飲むと絶命した」という話を聞き、肉体に影響を及ぼす「精神力」に強い関心を抱くようになり、精神界の研究を志すようになったという。同42年12月、満期除隊した庄太郎は、翌年、今福の乾物屋の番頭格となり、同年カメと結婚した。
 大正3(1914)年3月、庄太郎は29歳のとき、自前で乾物屋を開店したが、まもなく第一次世界大戦が勃発し、中国三東省・青島へ出征中に家業が倒産同様となってしまった。帰国後は綿の打直しなどで生計を立てている。
 同5年、庄太郎は頭の左半分が激しく痛み、癇が高ぶるという奇病に悩み、医師や鍼師の治療を受けたが一向に治らなかった。そのようなとき、霊生院(本名樋口セイ)という霊能者との出会いによって、病気は快方に向かい、家業も次第に軌道に乗るようになったという。
 同8年12月、庄太郎はスペイン風邪に冒され、一時生死の境をさまよった。翌年2月になって全快したが、4歳の長男を同じ感冒で失った。
 大正14年8月3日、庄太郎の夢の中に阿弥陀如来が現れ「汝の国を思い、世を憂える真実心に感応して、今日ただ今より産土神として応現する。汝に不思議の霊徳を授け、世の人々に誠の道を知らしめて、信仰の立て直し、世の立て直しをするであろう。汝は六根を清浄にして天命を明かにして、人々を正しく導くように」という意味の霊告があり、「念法霊現念力不可思議感応神通」という14文字の「念法真言」を授ったという。
 その翌日、庄太郎は病気治しを行って自身に霊的能力がそなわったことを確信し、宗教活動を開始した。教団では霊夢があったこの日を立教の日としている。
 昭和3年4月、大阪四天王寺に初の支部道場を設けて「神仏眞霊感応会」と「神仏眞霊感謝会」を設立し、会員制による本格的な教団活動を展開した。しかし宗教統制が厳しくなってきたため、同14年、一時教団は天台宗吉野山金峯山寺(天台修験道)に所属し「金剛教会」と称した。またこの時、庄太郎は名を「霊現」と改めている。 
 同22年、宗教法人令による単立法人「小倉山金剛寺」を設立して天台宗から独立し、同27年9月に、包括宗教法人「念法眞教」並びに総本山「小倉山金剛寺」の認証を受け、初代燈主に霊現が就任した。同34年、総本山を大阪市鶴見区緑に移転した。

 同57年3月、霊現は96歳で死去した。2代燈主には次男・良現が就任し「霊現」を襲名した。2代霊現は、初代と同様に靖国神社の国営化や軍備の拡張、北の脅威や北方領土の返還を訴える活動を展開したが、平成13年2月16日に82歳で死去した。3代燈主には、総本山金剛寺で執事長であった稲山霊芳が就任している。
教団の布教活動は、初代以来燈主による巡教が中心で、1会場につき3日間行程で年間延べ100会場において行われている。念法寺と称する各地の寺院においては、春秋彼岸会や盂蘭盆会、立教記念法要、教祖誕生会等の年中行事の他に、月例の護摩祈祷(懺悔)、法座、座談会等が行われている。また昭和46年からはラジオ番組「心の憩い」という布教放送も行われている。

【教義の概要】
 念法眞教では、初代霊現の霊夢により久遠実成の阿弥陀如来を本尊とする。この阿弥陀は天之御中主大神(産土神)と一体であり、諸仏諸神はすべてこの神仏が時に応じて現れたものとしている。
 また、教団では『法華経』と『無量寿経』『観無量寿経』『阿弥陀経』の浄土三部経を所依の経典とし、教団の教義書である『念法眞教教義綱要』と初代・霊現の指導をまとめた『念法法語集』を教典としている。教典によると、人間の生命は大生命の分け御霊であり、本来神仏から仏性を与えられているが、人間はそれに気づかず、日々にねたみ・たかぶり・むさぼり・いかり・ぐち・悪口などによって悪業を積み重ねた結果、病気や経済苦というさまざまな人生苦を受けているとする。この苦を無くすためには、自己に本来具わる仏性に目覚め、霊現が弥陀から授かったという「念法霊現念力不可思議感応神通」との念法真言を受持し、本尊に向かって称え、「五聖訓」「九誓願」などの戒行を実践することであるという。
 その五聖訓とは、
一、神仏祖先を敬い、ねたみ、たかぶり、むさぼり、両舌の心を起こさず、家内和合円満に暮し、我が家の不足を一切他人にもらさぬこと。
一、朝早く起き出で、今日一日の勤めを真に行い、生かされる喜びに御恩を報じ、何事にも感謝を忘れざること。
一、人の美点を挙げて喜び合い、悪口をいわず、相互に無駄を省き、良く勤め、共に楽しき社会を作ること。
一、神仏祖先に御恩を報ずるため、世の迷える人々に神仏祖先の有難きことを知らしめ、安楽界に導き、徳を積み、人生の使命を全うすること。
一、正法を守り、国恩に報ゆること。
である。また九誓願とは、
一、我等の身命は是れ露の如く、幻の如しと観じ、速かに菩提心を発せんことを願うべし。
二、たとえ我が身は滅ぶとも、我等の仏性は不滅なることを悟り、早く生死の苦界を離るべし。
三、常に五聖訓の心を養い、如何なる順逆の境にあるも、心顛倒せざるべし。
四、自ら神仏の代身なりと確信し、己れを慎み、よく世界の闇を破して、光明を与うべし。
五、たとえ我を苦しめ、我を罵る者あるも、皆これ神仏の慈悲なりと喜び、深く感謝して非を改むべし。
六、一滴一滴の雨水の、よく石を穿つことを知りて、我等常に撓むことなく、大悲願達成に努むべし。
七、忍耐はこれ百行の基なり、寒に耐えるの梅、花まさに芳しと悟り、ねたみ、たかぶり、むさぼり、両舌の心を押え、怒を面に表わさざるべし。
八、一言一行もこれ皆、因果の種となることを悟り、不誠の言動を固く慎むべし。
九、神仏はこれ我等が真実の父母なり、たとえ独り寂寥の天地に立つとも、合掌瞑目して念法を唱うれば、直ちに神仏目前に現われ給う。故に神仏と共なるを信じ、感謝の心をもちて日々の正業に励むべし
である。
 これら五聖訓と九誓願という徳目を実践することにより、神仏から与えられた仏性が磨かれて五徳(仁・義・礼・智・信)が具われば、家庭・職場・地域社会が光明化し、戦争のない恒久的平和世界が実現すると説き、そのような極楽浄土を建設することが信者の使命であると教えている。
 また教団は、信者は国家社会に我が身を「与え」「捧げ」「仕え」「尽す」という奉仕を勧め、人生の苦悩に対しては「心を労らすな」「陽気でいこう」と説いている。
 なお、この教団の特徴として、教師の7割が女性で占められ、黒い上っ張りにモンペの服装が義務づけられ、さらに男は頭を剃り、なるべくあごひげをたくわえなければならないとしている。また教団では、原則として葬式を執行しない。

【破折の要点】
◆念法眞教では、天之御中主大神(産土神)と久遠実成の阿弥陀如来の神仏一体を主張している。しかし、神と仏が一体などという教えは仏教にも神道にも説かれておらず、教祖小倉霊現の思いつきから生まれた邪説にすぎない。

◆教祖・霊現は「久遠実成の阿弥陀が産土神として応現した」(取意)といっている。しかし、久遠実成の阿弥陀如来などという仏は、法華経や浄土三部経にも説かれていない仏である。仏が産土神(氏神)として応現しなければならない理由も根拠もなく、霊現の主張は仏法の道理を無視した暴論であり、人々を誑惑する邪論である。

◆教祖・霊現は「念法は、仏さまが身代わりになる。といって応現下さって、未来の幸せのために、運命切りかえの教えを説かれて出来た教団である」(念法法語集43)と述べ、念法眞教は、凡夫の宿業を仏が身代わりになる教えであると説明している。
 しかし、仏法では、自らの宿業は自業自得によるものであるから、自分自身が正法を信仰し修行しなければ根本的に転換できないと説くのであり、その宿業を仏が身代わりになるとか、他人が身代わりになることなどとはまったく説いていない。
念法眞教が主張する「身代わり論」などという教えは、仏教の因果の道理を無視し、真の宿業転換を妨げる邪論というべきである。


 
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