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日蓮正宗法華講 妙霑寺支部のサイトです。

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諸宗破折ガイド 新興宗教 諸教系 幸福の科学

四 幸福の科学

  創 立    昭和61年10月6日
  創始者    大川隆法(りゅうほう)(主宰(しゅさい)・総裁(そうさい))
  信仰の対象  エル・カンターレ(釈迦大如来(しゃかだいにょらい)=大川隆法)
  教 典    大川隆法著『仏説・正心法語(しょうしんほうご)』
  本部所在地  東京都品川区東五反田1―2―38
  信者数    10,000,000
  名称の変遷  幸福の科学(昭和61年) 幸福の科学総合本部(昭和63年) 宗教法人幸福の科学(平成3年)

【沿革】
 幸福の科学は、大川隆法が自ら「釈尊の再誕にして、救世主たるエル・カンターレである」と公言し、個々の幸福と社会全体の幸福を探求して恒久ユートピアを建設する、と称して設立した教団である。
 大川隆法は本名を中川隆といい、昭和31年7月7日、徳島県麻植(おえ)郡川島町で、県職員の父中川忠義と母君子の次男として生まれた。
 忠義は、戦前にはキリスト教を、戦後は「生長の家」を信仰しながら共産党員として活動していた。さらに同51年には、「GLA」に入会し高橋信次の教えを受けている。君子も理容業を営むかたわら、霊媒師(れいばいし)として口よせ(神がかって、霊魂などの意志を告げる)を行っていた。
 隆は、小学校の頃から体型のことなどで兄に劣等感を持っていた。高校卒業後、隆は二浪して同51年に東京大学法学部に入学した。在学中は、高橋信次の本やさまざまな哲学書・思想書を読みふけったという。
 同55年、隆は国家公務員上級試験と司法試験を受けたが不合格となり、さらに翌年に再度受験したがともに失敗に終わった。一流志向が強かった隆は、これらの試験の失敗によって激しい挫折感(ざ せつかん)に苛(さいな)まれた。隆は心身ともに疲れ果て、同56年3月23日に突然神がかった。このとき、無意識に手が動き文字を書く「自動書記現象」が起こり、紙にカタカナで「イイシラセ イイシラセ」からはじまるいくつかの事柄を書き連ねたという。後年、隆は「このメッセージを送ってきたのは日興上人だった」と述べ、また、この啓示によって「大悟し、人類救済の大いなる使命を自覚した」などと説明している。
 隆は、同年3月に大学を卒業し、総合商社に入社したのちも、日蓮・高橋信次・キリスト・釈尊から霊言を受ける体験をしたという。
 同60年8月、隆は最初の霊言集として『日蓮聖人の霊言』を著した。これは父・忠義の質問に隆が答えるという形式で構成され、著者名は父のペンネーム「善川三朗(よしかわみつあき)」となっている。同様に隆は、空海・キリスト・天照大神・ソクラテスなどの霊言集を順次出版した。
 隆は執筆活動に専念するため、同61年7月15日、総合商社を退社して「大川隆法」と改名した。同年10月1日、隆法は、釈迦の啓示をまとめた教典『仏説・正心法語』を発刊し、同月6日に「幸福の科学」を杉並区西荻南に設立した。この教団名は、隆法が受けたという日蓮聖人の「これは宗教ではなく、幸福の哲学であり、幸福の科学なのだ」との霊言に基づいているという。
 同63年4月、教団事務所を日伸(にっしん)西荻プラザに移転し、「幸福の科学総合本部」と改称した。さらに平成元年12月、事務所を千代田区紀尾井町に移転し、同3年3月7日に東京都より宗教法人の認可を受けた。同年7月15日、隆法は東京ドームで「御生誕祭」を行い、「自分こそ、大乗の仏陀、エル・カンターレである」と宣言した。
 一方、「御生誕祭」に前後して週刊誌等により隆法批判が繰り返し報道されたため、同年秋、教団所属の著名作家を中心とする会員3,000名が「被害者の会」を組織し、出版会社に対して抗議行動やマスコミ批判を行った。しかしこの行動が、逆にマスコミからの反発を買い、社会問題化した。
 その後、教団は、教団誌『幸福の科学』や布教誌『リバティー』などで盛んに他宗教を批判するかたわら、政治・経済や脳死などの時事問題に積極的に言及するなど話題作りを行っている。
 平成12年夏にはアニメ映画「新太陽の法」を上映し、映像メディアを用いて布教している。

【教義の概要】
 幸福の科学は「エル・カンターレ」を自称する、大川隆法を信仰の対象とする。
 エル・カンターレとは、地球系霊団の最高大霊にして、大宇宙を統べる法の意識・釈迦の魂の中核意識であり、仏教で説く久遠実成の仏陀や法身仏と呼ばれる存在、神々の師である釈迦大如来を意味するとし、それが地上に隆法として現れたとしている。また、インドの釈迦やギリシャのヘルメスは、エル・カンターレの意識の一部分であり、隆法はその本体意識であるという。このことから教団では、隆法の写真を本尊として祀(まつ)り信者に拝ませている。
 このエル・カンターレについて、『新・太陽の法』では「うるわしき光の国、地球」を意味する言葉であるとし、また、五五億年前に現れた金星の統治者「エル・ミオーレ」のことであるという。隆法は、太陽系のなかで最初に生命が誕生したのは金星であるとし、この生命誕生を起こした大霊がエル・ミオーレなのだという。このエル・ミオーレは、それから四九億年後に地球の惑星大霊たちによって地球に招かれ、下等動物を作り上げたという。さらに、エル・ミオーレは地球の大霊たちと話し合い、今から四億年前に地上に人類を誕生させ、このとき金星の支配者から地球の大霊となり、名前をエル・カンターレと変えたのだという。
 教団の根本経典は隆法が著した『仏説・正心法語』であり、これは昭和61年に隆法が釈迦の啓示を受けて自動書記で記したものとされる。
 また隆法著の『太陽の法』『黄金の法』『永遠の法』の3部作と、『釈迦の本心』『真説八正道』『仏陀再誕』など数百冊の出版物を教義の基本書とする。
 隆法は独自の次元観を持っており、一般的にいわれる「線の1次元、平面の2次元、立体の3次元、立体に時間を加えた4次元」の数学的な概念のほかに、4次元に「精神」を加えた5次元や、それに「真理意識」を加えた6次元、「利他」を加えた「菩薩界」としての7次元、「慈悲」を加えた「如来界」としての8次元、「宇宙」を加えた「地球系霊団の指導者たちのいる宇宙界層」としての9次元などがあるとしている。さらに、9次元より高次元の世界として、「惑星意識」の10次元、「恒星意識」の11次元、「銀河意識」の12次元、「大宇宙大霊」の13一三次元の存在があるとし、大宇宙の根本仏は20次元以上の存在であるという。
 次に、教団では、「正しき心の探究」をしていくところに「この世とあの世を貫く幸福が実現する」といっている。その具体的な方法は、「愛・知・反省・発展の探求」の四正道(よんしょうどう)であるとする。「愛」とは、与える愛・無償の愛の実践であり、「知」とは仏法真理を学び智慧を得ること、「反省」とは執着を断ち自由を得ることで、発展とは愛を拡大しユートピアを建設することであるという。
 これらの実践によって各人が幸福になり、それを社会全体に広げていくことで世界的にユートピアが実現するというのである。
 教団では、その目的を達成するために各種儀式行事と会員に対する教化育成事業を行うとし、布教活動として教団書籍、講演テープ等の販売推進を行っている。
 幸福の科学の会員は、「誌友(しゆう)会員」と「正会員」に分けられる。誌友会員は教団会報誌『幸福の科学』の購読契約者であり、正会員は、『新・太陽の法』を読み感想文を提出して、教団の審査に合格した者である。以前までは、正会員になるためには、隆法の本などを最低でも10冊読み、入会願書を書いて論文を提出しなければならず、なかには不合格や待機をいい渡される者さえいたという。正会員になると、教団のすべての行事に参加する資格を持ち、教団の経典である『正心法語』や『祈願文』をもらうことができる。
 正会員は、入会後もさらに隆法の本を読み、教団主催の講演会や研修会などに参加し、初級から上級の講師の資格を得られるよう励むという。
 また正会員は、「エル・カンターレ・ファイト」と呼ばれる悪霊撃退の修法(しゅほう)と、「エル・カンターレ・ヒーリング」と称される病気癒(いや)しの修法を執り行うことができるという。具体的には、「エル・カンターレ・ヒーリング」の場合、相手に向かって合掌した後、手を横に開いて頭の上に組んでから、胸の前に突き出して「エル・カンターレ・ヒーリング」と叫ぶというものである。教団広報部では「心の教えのない『手かざし』などとは根本的に違う」といっており、これによってさまざまな利益の例証があるとしている。
 教団本部の機構は、主宰である隆法を頂点とし、その下に顧問先生(こもんせんせい)(善川三朗)、補佐(ほさ)先生(妻、大川きょう子)が位置しており、最高指導部を隆法一族で独占している。

【破折の要点】
◆デタラメな隆法の霊言
○教団名を「幸福の科学」というが、大川隆法のいうことは多くの霊言集に明らかなように、当人がこの世にいないことをいいことに勝手にデタラメを並べただけのものであり、まったく非科学的なものといわなければならない。
○平成6年に隆法は、かつての霊言について、「真実そのものを述べたものではない」(新宗教教団事典)といっており、霊言が真実でないことを白状している。
○次々に出版した霊言集について、隆法は、
「別に霊言集で問わなくとも、私が書いてもかまわないのですが、…大川隆法の名前で文章を書き、発表しただけでは、世の人々はなかなか信じてくれません」(新幸福の科学入門)
と告白しているように、これらは単にキリスト・釈迦・モーゼ・天照大神・親鸞(しんらん)・道元・卑弥呼(ひみこ)など多数の歴史上人物たちを勝手に登場させ、自分の思いつきを書き並べたものに過ぎない。しかも「死人に口無し」をよいことに、いいたい放題である。
○隆法は釈尊になりすまし、「諸々(もろもろ)の比丘(びく)、比丘尼たちよ、我はここに再誕す。我が再誕を喜べ、我が再誕にきづけ」などと述べているが、これが事実ならば、滅後末法の付嘱を説いた法華経の教説は嘘になる。法華経が虚妄なのか、隆法が誇大妄想なのかを比べれば一目瞭然である。
 また隆法は、「釈迦の教えは何百何千の法門があり、法華経のみが正しく、他の経典は真理を伝えていないという考えは、間違っております」などといっているが、これは法華経の開経である無量義経の「四十余年 未顕真実」との経文に背く主張である。
○隆法は『日蓮聖人の霊言』のなかで、「相手の現状を千里眼と宿命通力で分析したあと、日蓮上人におうかがいを立て、霊言として回答を…」などと述べ「日蓮聖人」を登場させているが、日蓮大聖人は『唱法華題目抄』に「魔にたぼらかされて通を現ずるか。但し法門をもて邪正をたゞすべし。利根(りこん)と通力とにはよるべからず」(新編233)と仰せられ、末法において通力などを売り物にするのは、人々を誑かす魔の所業であると教示されている。魔の権化(ごんげ)である隆法が日蓮大聖人の教義を悪用することは言語道断というべきである。
○隆法は『黄金の法』に、「日蓮の他宗排撃は、真理流布に急であった面は評価できますが、他宗を正邪の邪としたのは、間違っております」と述べて平然と大聖人を批判しているが、同書にはそれに引き続いて、「日蓮聖人は、現在、私の直接の守護霊役、あるいは、指導霊役を務めて下さっている関係上、ほぼ毎日、聖人とは話をしております」と述べている。大聖人を否定してみたり持ち上げてみたり、隆法には論理に一貫性がなく分裂している。また『太陽の法』に、「いまから一千数百年前に、天台智顗が、中国の天台山で一念三千論を説いていたのですが、そのとき、霊天上界において、彼を指導していたのは、実はほかならぬこの私でした」「私には、釈迦が菩提樹の下でひらいた悟りの内容がどのようなものであったのかが、手にとるようにわかってしまいます」
などと述べているが、隆法の話の次元の低さからして一念三千の深義を理解しているとはいい難い。彼の言葉が嘘であることは明白である。
○教団広報部は、一般宗教誌(『宗教勢力地図』)の取材に答えて、「奇蹟論」の中で、「霊力そのものは悟りではありません。そのほとんどは、悪霊憑依(あくりょうひょうい)か、天狗・仙人など愛なき世界の現象です」と述べている。まさに隆法の霊言は、悟りによるものではなく、悪霊憑依によるものといわなければならない。

◆幸福の科学は、宗教の名を借りた営利出版企業
 教団の主要な収入源は、隆法や教団発行の数々の出版物である。隆法著作の本は毎回ベストセラーを連発し、隆法の所得税も毎年というほど高額納税者番付に出ている。ベストセラーになる仕組みは、一般書店から教団や会員が多部数買い取るという方法である。
 昭和56年3月にはじめて「イイシラセ」と霊言を送ってきたのが日興上人であったり、最初の霊言集が『日蓮聖人の霊言』としたことも作為的(さくいてき)なものとしかいいようがなく、創価学会員に視点を当てて、「日蓮」の関係のものを出せば、内容はどうであれ売れると考えたものと思われる。
「別に霊言集で問わなくとも、私が書いてもかまわないのですが、…大川隆法の名前で文章を書き、発表しただけでは、世の人々はなかなか信じてくれません」(新幸福の科学入門)
との言葉が、それを端的に示している。実際、創価学会を脱会した元幹部が、幸福の科学に入会し教団幹部になっている。また隆法の父が関わっていたGLAや生長の家からも入会者が多く、その関係で高橋信次の霊言集は16回、谷口雅春の霊言集は4回も発刊されている。
 しかも当初、教団では、隆法の本を10冊以上読まなければ入会できないとしており、いかに出版物の販売に力を入れているかが分かる。
 幸福の科学は、宗教団体というよりも、宗教の名を借りた出版営利団体というべきである。

◆デタラメな隆法の予言
 隆法は『黄金の法』のなかで西暦2000年の世界について、ノストラダムスの予言に基づき「世界の人びとは、前年の夏に起きた衝撃的な悪夢からまだ立ち直れないでおります」として、ニューヨークは機能をなくし壊滅的になっているといい、世界各地の情況を述べ日本も復旧作業が続けられているなどとまことしやかに述べているが、何も起こらなかったことは衆目の事実である。隆法は予言者でも霊能者でもないことは、この一事をもってしても明らかである。所詮、隆法は宗教を利用した詐欺師といわなければならない。

◆次元の低い隆法の「二十次元論」
 隆法は、一般にいわれる数学的な1次元から4次元までの概念に、5次元から20次元まで独自に作った次元を加えている。
 そして『新太陽の法』では、この大宇宙(3次元宇宙空間)は、20次元以上の存在とされる意識体(大宇宙の根本仏)が作り上げた13次元意識(大宇宙大霊)によって、創造されたと述べている。また菩薩界は7次元、如来界は8次元、エル・カンターレは9次元などと説明している。しかし、この論理は木に竹を接(つ)いだもので、4次元までの数学的な概念と5次元からの隆法の我見によって主張する世界観とは相容れないものであり、世の中の常識には通用しない。
 幸福の科学の根本教義は、このような隆法の支離滅裂な次元観によってできあがっているのであり、いかにデタラメなものかが理解できる。

◆意味のない四正道
 教団では「愛・知・反省・発展の探求」を四正道(よんしょうどう)と呼び、幸福になる基本原理としている。また、これらを釈尊の説いた「八正道」になぞらえて「現代の四正道」と称している。
 しかし、これらはキリスト教の博愛主義の枠を出ない道徳論に過ぎないものである。また隆法は四正道の「反省」を説明するなかで、釈尊が説いた正見から正定(しょうじょう)までの八正道を用いているが、反省の方法であるとして八正道の本来の意味をはき違えている。何より四(し)を「し」と読まずに「よん」と読む一事をもってしても、隆法は文字の正統な読み方も知らず、仏教用語に疎(うと)いのである。
 所詮、八正道は、小乗教の四諦法門の道諦(どうたい)における八種の修行法であり、実大乗の法華経からすれば幾重も劣った教えであって、末法今時の教えではない。しかも隆法のいう「四正道」などは、八正道とは似ても似つかない外道の教えであり、何らの根拠もないのである。


 
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