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日蓮正宗法華講 妙霑寺支部のサイトです。

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岡山県岡山市北区津高781番地 妙霑寺内

諸宗破折ガイド 新興宗教 諸教系 エホバの証人

七 エホバの証人(ものみの塔聖書冊子協会)

  立 教   1879年 アメリカ・ペンシルバニア(法人設立は1884)
  創始者   チャールズ・テイズ・ラッセル(1852~1916)
  現後継者   第五代会長ミルトン・ヘンシェル(1992~)
  信仰の対象  エホバ(創造者)。但し対象としての物体はない
  聖 典    聖書(教団独自の『新世界訳聖書』)
  本部所在地  ニューヨーク・ブルックリン
  日本の支部  神奈川県海老名市中新田1271
  信者数    300~500万(日本約16万~20万)
  名称の変遷 シオンのものみの塔冊子協会(1881) エホバの証人(1931)

【沿革】
 輸血を拒否することや、聖書の話をするために執拗に訪問することなどで知られるエホバの証人は、アメリカのチャールズ・テイズ・ラッセルが聖書を研究するなかから起こした教団である。
 ラッセルは、1870年(18歳)頃からペンシルバニア州で聖書研究の集まりをはじめ、1876年『朝の先ぶれ』という雑誌の記事に感動し、この雑誌の共同編集者となる。その後、ラッセルは1879年に『シオンのものみの塔およびキリスト臨在の告知者』誌を創刊して布教を開始し、81年(29歳)には「シオンのものみの塔冊子協会」を設立し、84年に協会が法人化されるとラッセルが初代会長に就任した。その伝道は講演会と一軒一軒を訪ね文書を配布する方法で行われた。
 ラッセルは聖書の研究をし、既成のキリスト教会が説く、イエスの神格化、マリア崇拝、十字架崇拝、降誕祭(クリスマス)などは聖書に基づいたものではないとし、自己の聖書解釈の正当性を強く主張したため多くのキリスト教徒から反感を買った。
 ラッセルは神の王国が1914年に到来するという予言をしたが、それは当たらなかった。そこで、ラッセルはその年に起こった第一次世界大戦をハルマゲドン(神と悪魔の最終戦争)であるとして、既成のキリスト教会は1918年に破壊されると予言したが、この予言も当たらなかった。ラッセルはその事を確かめることもなく、1916年10月、伝道旅行中のテキサス州で心臓発作のため64歳で死亡した。
 ラッセルの死後、第2代の会長となったジョセフ・ラザフォードの指導のもと、信徒は他宗派に対する批判を続け、さらに徴兵を拒否し、アメリカ国旗に対する敬礼を拒否したことなどから多くの逮捕者を出し、暴徒による迫害を受けた。
 ラザフォードは就任直後からラッセルを批判し、それに対する反抗もあって、協会はしばしば内紛を起こした。その結果、1931年には教団の名称を「エホバの証人」と変えた。
 ラザフォードも旧約聖書に説かれるダビデなどの聖人たちが1925年に人間の姿をもって現れると予言し、それを迎え入れるための豪邸までも用意したが、この予言も当たらなかった。
 ラザフォードが1942年に死去すると、第3代会長になったノアは海外布教に力を入れ、1943年には宣教者養成のための学校を造り、世界的に伝道を進めた。それに伴い教義の整備が進められ、1950年には聖書の原本を英訳したと称する『新世界訳聖書』を出版した。
 エホバの証人が日本に伝えられたのは1912(明治45)年、ラッセルが伝道旅行で立ち寄り、大阪で講演したことにはじまる。1926(大正15)年には在米中に信者となっていた明石順三が日本に支部をつくるため帰国し、灯台社を創立し活動を開始した。
 明石は聖書の教えに基づいて争いごとを忌避する立場から、兵役拒否を主張したため、当時の官憲の手によって、検挙・投獄された。後に明石は協会のあり方に疑問を呈したために除名処分を受けた。
 翌1948(昭和23)年、協会はドナルド・ハズレットら7名の宣教師を派遣し、新たな組織化が計られ、1953(28年)年10月には「ものみの塔聖書冊子協会」として宗教法人を取得した。協会ではこのときを日本布教のはじまりとしている。現在3,500以上の王国会館がある。
【教義の概要】
 エホバの証人の信徒は、天地創造の神エホバを唯一の神と信じ、善人で地上を満たすことが神の意志であると信じ、現在の世界は犯罪や暴力、戦争、汚染等により苦渋に満ちたものであり、その原因は他宗派の聖職者や資本家、政治家たちであるという。しかし、これらの悪を一掃するために間もなく「ハルマゲドンの大戦」、すなわち神の軍団と悪の軍団の終局戦争があり、神の軍団が勝つという。この時、信者は神(エホバ)の証人として戦いを見守ればよいとされ、このことから「エホバの証人」あるいは「ものみの塔」という名称になった。
 また、戦いの後、エホバを信じた人たちはキリストの統治のもとに楽園となった地上で千年間を過ごすことができるという。これが彼らのいう「千年王国」である。そこでは善良な人格を築き、道徳的な生活を送り、その後、神の最終審判があって永遠の命が与えられると説いている。
 エホバの証人では信者にはさまざまな規則が課せられているが、たとえば長時間の伝道や週5回の集会(公開聖書講演会・ものみの塔研究会・会衆の聖書研究・神権学校・奉仕会)への参加が義務づけられ、そこで繰り返し聖書の解釈を教え込まれる。聖書の解釈をめぐっては既存のキリスト教と異なる点が多く、なかでも、旧約聖書の「血を食してはいけない」を根拠に輸血を拒否するよう教えている。これは、人命を尊重するので医療は受けるが、血は命を表す故に神聖なものと解釈するからである。このほか、選挙もエホバ以外の統治を認めることになるので棄権し、町内会の役員、公務員になることを禁止するなど、現実社会にそぐわない面が多い。

【破折の要点】
◆輸血拒否の問題
 輸血拒否の根拠となるのは、聖書の「生きている動く生き物はすべてあなた方のための食物としてよい。緑の草木の場合のように、わたしはそれをすべてあなた方に与える。ただし、その魂すなわちその血を伴う肉はたべてはならない」(創世記9章3,4節)との教えである。
 しかし、輸血拒否が最初からの教えかというとそうではない。
 教団発行の『ものみの塔』1927年12月5日号にこの聖書の文があるが、この時点では輸血拒否は決定していない。
 1940年12月25日号の同誌には950㏄の輸血をした婦人の体験が掲載されている。
 1945年7月1日号の同誌上で輸血拒否がはじめて発表された。これは、ものみの塔誌発刊後66年後のことであり、もし、現在のエホバの証人の主張が正しいとするならば、それ以前の聖書の解釈には誤りがあったことになる。また、輸血拒否は血だけを神聖視する偏頗な考えである。

◆創始者のラッセルは「教えと行動のすべてが神の言葉(聖書)と一致していなければならない」としている。しかし、「ハルマゲドンの大戦」の年代を最初は1914年と予言し、それがはずれると、次は42年、さらに75年へと変更されたのは、無節操きわまりない虚言である。

◆エホバという神の名を自分たちの教団の名称に用いているが、これは旧約聖書にある「みだりに神の名を唱えてはいけない」との戒めに反する行為である。


 
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