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日蓮正宗法華講 妙霑寺支部のサイトです。

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諸宗破折ガイド 新興宗教 諸教系 オウム真理教

八 オウム真理教(現・宗教団体アレフ)

  創 立     昭和62年7月
  創始者     麻原彰晃(グル・尊師)
  現代表者    上祐史浩
  信仰の対象   シヴァ大神
  教 典     『マハーヤーナ・スートラ』『原始仏典講義』『ヨーガ経典』
  事務所所在地  埼玉県越谷市大字袋山999―8(アレフ事務所)
  信者数     10,000(平成7年3月)、現在不明
  名称の変遷   オウム神仙の会(昭和59年2月) オウム真理教(昭和62年7月)
          宗教団体アレフ(平成12年1月)

【沿革】
 オウム真理教は、麻原彰晃がヨーガの修法や超能力の開発法の伝受を宣伝文句として信者を集め、創設した教団である。この教団は、教祖をはじめほとんどの幹部が平成6年6月の松本サリン事件、同7年3月の地下鉄サリン事件などの無差別殺戮犯罪に関わったことが明らかになり、同7年12月宗教法人の解散を命じられた。
 その後、同教団の元幹部上祐史浩が中心となり、「従来の体制を解体し、過去の反省や将来的な理念のもとに、まったく新しい団体に生まれ変わる」〔趣意・宗教団体アレフ綱領〕として、旧オウム真理教信者に呼びかけて結成したのが「宗教団体アレフ」である。
 オウム真理教の創始者麻原彰晃は本名を松本智津夫といい、昭和30(1955)年3月に熊本県金剛村(現在の八代市)の畳職人の家に、7人兄弟の4男として生まれた。地元の小学校に入学するが、生まれつき左目が見えず右目も弱視だったことから、智津夫は一年生の途中で熊本市の県立盲学校に編入した。寮で寝起きしながら、中等部・高等部をへて専攻科(鍼灸科)に進み、鍼灸師の資格を取得し、卒業後の2、3カ月は市内の鍼灸院に勤めた。
 同52年、22歳のときに上京した智津夫は、まもなく千葉県船橋市で鍼灸のアルバイトをしながら予備校に通い、東大を卒業して政治家になることを夢見るが、この受験に失敗する。同53年1月、智津夫は石井知子と結婚し、同年12月には船橋市内のマンションで鍼灸院「亜細亜堂」を開業し、薬局も併設した。この頃から、智津夫は運命学(気学・四柱推命)を学び、次いで中国の神仙術である仙道に凝り、「GLA」の高橋信次の著作などにも触れた。
 同56年2月、智津夫は健康食品と漢方薬を扱うBNA薬局を開業するが、同57年7月にニセ薬を販売したことによって薬事法違反で逮捕され、20万円の罰金刑を受けている。同年、智津夫はヨーガの独自の修法によって、脊椎の基底部から生命エネルギーであるクンダリニーを吹き出させ、神秘の力に接する体験したという。智津夫は、これをクンダリニー覚醒と呼んでいる。この頃、桐山靖雄が創設した「阿含宗」に入信したが、59年には脱会し、同年2月、智津夫は「オウム神仙の会」を発足させ、「麻原彰晃」と名乗って渋谷でヨーガ教室をはじめた。なお、「オーム」とはベーダ聖典を読誦する前後、また、マントラ(真言)や祈りの文言の前に唱えられる聖音を指す。
 同60年2月、麻原は“空中浮揚”を行ったと公言し、また4月から5月にかけて、三浦海岸で五体投地を行じているとき、突然、天から降りてきたシヴァ神から「神軍を率いる光の命に(麻原を)任命し、シャンバラ(理想郷)王国を築け」との啓示を受けたともいっている。同61年3月、麻原ははじめての著作『超能力「秘密の開発法」』を出版し、時を同じくして「グル(絶対的指導者)」を自称し、会員に対して有料のイニシエーション(秘儀伝受)もはじめた。
 同年7月、麻原は「インド・ヒマヤラ山で修行中、最終解脱者となった」と自称し、若者を「世界で一番安全で、世界で一番確実で、宇宙で一番スピーディな超能力開発法」等のキャッチフレーズで取り込み、 次いで同年10月には本部を世田谷に移転した。移転を機に出家制度を採用した麻原は、弟子たちに厳しい修行を課すようになり、組織も従来のサークル的なものから急速に閉鎖的なものに変貌していった。
 同62年には「オウム真理教」と改称し、同63年8月、富士宮市に富士山総合本部道場を開設した。この頃から信者やその家族から「多額の布施を強要された」「出家信者となった家族と連絡が取れない」等の声があがり、オウム真理教の反社会的体質が表面化するようになり、信者の家族たちによって「オウム真理教被害の会」も結成された。
 平成元年8月に東京都から宗教法人が認可され、ほどなくして週刊誌等に教団の批判記事が連載されるようになり、さらに同年11月には、教団幹部による「オウム真理教被害対策弁護団」の中心者・坂本堤弁護士一家殺害事件が起きている。また同2年2月、麻原と幹部25人が衆議院選挙に立候補するが、全員落選した。
 同年3月、第一サティアン(富士山総合本部内)において麻原は、幹部たちに対し「今の人類はポア(人の意識を移すこと、とくに死後に仏界に移すこと)するしかない」と無差別殺人を説き、また同年5月には、教団の熊本・波野村内への進出に際して、地元住民と紛争になり、同年10月、県警によって国土利用計画法違反で幹部3名が逮捕されている。
 同3年春、山梨の上九一色村に教団施設群の建設を開始し、同4年、麻原は10月から11月にかけて各地の国立大学で講演し、「2000年までにハルマゲドン(世界最終戦争)が起き、大都市では9割の人間が死ぬ。ABC兵器(核兵器・生物兵器・化学兵器)が使われ、それを生き延びるには、修行により『超人』になるべきだ」等と述べている。
 同6年6月27日には松本サリン事件を起こし、同年10月、LSDや覚醒剤を使用したイニシエーションを開始し、翌月には、電気ショックで記憶を消去するニューナルコをはじめる。同7年2月、公証役場事務長拉致監禁事件、3月には地下鉄サリン事件を起こした。この事件によって、6月、麻原と教団幹部7名が殺人と殺人未遂の容疑で逮捕された。
 同年10月、東京地裁が宗教法人「オウム真理教」の解散命令を出し、12月には東京高裁が教団側の即時抗告を棄却したことにより、解散命令が確定した。同11年9月、教団が活動休眠宣言をし、同年12月にはオウム新法(団体規制法、被害者救済法)が施行された。同12年1月には教団名を「アレフ」と変更した。また同月、公安審査委員会はオウム真理教に対し、3年間の観察処分に付している。

【教義の概要】
 オウム真理教の主宰神は、シヴァ大神である。教団発行の出版物には「シヴァ大神とは、ヴィシュヌ神、ブラフマン神と並ぶインドの三大神で、宇宙の破壊、病気の治癒、解脱の援助を司っている」とあり、また「シヴァ大神とは肉欲・煩悩を破壊し、人々を苦しみの世界から解放し、絶対自由・絶対幸福・絶対歓喜の世界に住む『独我の真我』『比類なき菩提心の持ち主』『救済者を救済する真我』を意味する」とも説いている。麻原自身は「シヴァという言葉はサンスクリット語で『最高の意識』という意味である。…すべての意識の根本…真理勝者が到達する最終的な段階、これこそがシヴァ大神なのである」といっている。
 経典は「原始仏教」「ヨーガ経典」を主とし、仏典はパーリ語を独自に翻訳し、また独自の解釈を施し、教義理論としている。ちなみに麻原は、教法や修行について「パーリ三蔵といわれている原始仏典を土台として、それにチベット仏教を味付けし、そして密教的ヨーガを飾り付けたという世界でも類を見ない最高の修行体系、…その本質には、死を超越する三界をすべて理解できる修行システムが組まれている」といっている。
 オウム真理教の世界観は、最下層から上に向かって
 一、現象界(欲六界ー地獄・餓鬼・動物・人間・阿修羅界・天界)
 二、アストラル界(色界ー微細な物質世界)
 三、コーザル界(無色界ー光りと想念の世界)
 四、マハーヤーナ(絶対自由・絶対幸福・絶対歓喜の世界)
  イ、マハー・ニルヴァーナ(大完全煩悩破壊界)
  ロ、マハー・ボディ・ニルヴァーナ(大到達真理完全煩悩破壊界)
という階層的なものである。このコーザル界・アストラル界・現象界の三つは連動しており、光りでできたコーザル界のデータが、原子や素粒子よりも微細な物質でできたイメージ世界であるアストラル界に降りてくると、そこでデータに対応したイメージが形作られ、それが現象界に投影されて事象として生ずるという。
 また人間本来の自己は、永遠・不滅・歓喜の三属性を有する「真我」であり、もともとマハーヤーナ(マハー・ニルヴァーナ)に安住していたが、ラジャス(動性)・タマス(暗性)・サットヴァ(善性)という三グナに干渉され、錯覚して、苦界に迷い込んでしまい、そこで執着心を起こし、生まれ変わってはいっそう苦を増大させている、というのである。
 したがってオウムでは「救済」と称し、三グナの影響による錯覚を取り除いて真我に戻し、すべての魂を絶対自由・絶対幸福・絶対歓喜の世界へ導く、と主張するのである。
 そのための修行には、段階的にアーサナ(体位法)やブラ-ナーヤーマ(調気法)による冥想、マントラ(真言)を唱える、断食、独房修行、五体投地行、イニシエーションなどが設けられ、ヒーナ・ヤーナ(小乗)からマハー・ヤーナ(大乗)、マハー・ヤーナからタントラ・ヴァジラヤーナ(金剛乗)という階悌がある。また特に麻原の持つ物理的な力・エネルギー・情報を注ぎ込むイニシエーションは、修行を飛躍的に進める神秘力があるとされた。
 麻原の説いたイニシエーションには、次のようなものがある。
 一、血のイニシエーション…麻原の血液を飲むこと(100万円以上の布施者が対象)
 二、愛のイニシエーション…麻原のDNAを用いたもの(100万円以上の布施者が対象)
 三、シークレット・イニシエーション…麻原のリンパ球を用いたもの(100万円以上の布施者   が対象)
 四、パーフェクト・サーベーション・イニシエーション…略してPSIともいう。ヘッドギアを   使用して、麻原の脳波を信者の頭部に流す(100万円のコースと1,000万円のコース)
 平成元年以降、麻原はノストラダムスの予言やハルマゲドン説を繰り返すようになり、同2年よりタントラヴァジュラヤーナ(金剛乗=大乗の上、最上級の教え)の実践が強調され、ポアと称し、教団と対立的な人物や団体に対して危害を加えることを正当化していった。
 なお、オウム真理教が解散命令を受けた後、同教団の元信者たちで結成した宗教団体アレフでは、教義書を「オウム真理教の教義のうち、古代ヨーガ・原始仏教・大乗仏教を根本に、危険とされる教義は破棄して、新たに編纂する」(アレフの綱領・趣意)としている。

【破折の要点】
◆主宰神であるシヴァ神について、麻原は「すべての意識の根本」「真理勝者が到達する最終的な段階」などと説明しているが、そのような定義は仏教にもヒンズー教にも存しない。ヒンズー教では破壊の神とされ、仏教ではいまだ迷いの境界である三界を出ることができない、天界の一神に過ぎない。

◆麻原は、証拠写真なるものを見せつけて「空中浮揚ができた」と豪語している。しかし、自分の身体を空中に浮かばせるなどは、自然の法則や因果を無視し、道理から隔絶する絵空事である。

◆麻原の「今の人類はポアするしかない」との言葉は、まさに無差別殺戮を肯定する教えであり、このような内容は仏教はもとよりヒンズーやヨーガ等の教典にも説かれていない。所詮、自らの悪意・悪行を正当化するため創り上げた身勝手な邪説である。

◆麻原が信者に勧める〃イニシエーション〃は余りにも非科学的であり、「修行を飛躍的に進める神秘力」などあろうはずはない。単なる金集めの手段にほかならない。

◆麻原彰晃は、①LSDや覚醒剤を使用した修行や独房修行などで洗脳し、②その信者たちに指示して、サリンやVXガス 、さらに自動小銃や爆薬まで製造させた。③ハルマゲドンを自作自演して地下鉄サリン事件引き起こした人物である。特に地下鉄サリン事件は、死者一一名、重軽傷者3,700名という日本最大のテロ事件となった。このようにオウム真理教とは、恐ろしい反社会的な団体である。

◆宗教団体「アレフ」は、いまだに麻原をグルとして信奉しているから見ても、看板を掛け替えただけで「オウム真理教」の本質は何ら変わっていない。

オウム真理教関連の主な事件と動き
昭和62(1987)年7月 「オウム神仙の会」から「オウム真理教」と改称以後

  63年9月  在家信者真島照之さんが富士山総本部で修行中に死亡。遺体を総本部で焼却。
 平成元年2月  真島さんの死亡と遺体焼却を目撃していた信者田口修二さんを殺害。
     8月  東京都が教団規則を認証。宗教法人「オウム真理教」に。
    10月  出家信者の親らが「オウム真理教被害者の会」を結成。
    11月  坂本堤弁護士一家を殺害。
  同2年3月  麻原が幹部数十人に「人類を救えるのはヴァジュラヤーナしかない。今の人類         はポアする」と説法。
    10月  熊本県警が国土利用計画法違反などで教団施設を家宅捜索、幹部ら逮捕。
 平成5年2月  早川紀代秀らロシアからAK74小銃を持ち帰る。
     3月  麻原がハルマゲドンを予告、土谷正美に毒ガス研究を指示、本格的武装化。
     6月  翌月にかけて東京・亀戸で炭症菌を噴霧。
    11月  土谷がサリン20グラム生成に成功。
 平成6年1月  信者落田耕太郎さんをリンチ殺害。
     2月  土谷がサリン30キロを生成。麻原がサリンプラント、自動小銃1,000丁         の密造、ⅤⅩの調査を指示。
     3月  麻原が説法会ではじめてサリンに言及。宮崎県の元旅館経営者を拉致し、教団施設内に監禁。
     4月  新実智光らロシアで軍事訓練。LSD、麻薬などの密造開始。
     5月  滝本太郎弁護士をサリン襲撃。
     6月  自動小銃の密造開始。松本サリン事件。
     7月  信者富田俊男さんをリンチ殺害。覚せい剤を密造。
    10月  三菱重工広島研究所へ侵入。
    12月  水野昇さんをⅤⅩで襲撃。浜口忠仁さんをⅤⅩで殺害。
 平成7年1月  「上九一色村でサリン残留物検出」との報道でサリン量産を中止し、サリンプラントの稼働を停止。自動小銃一丁完成。「オウム真理教被害者の合」会長・永岡弘行さんをⅤⅩで襲撃。
     2月  目黒公証役場事務長仮谷清志さんを東京都品川区の路上で拉致し、上九一色村         の教団施設に監禁。仮谷さんは全身麻酔剤を大量投与され死亡。
     3月  千葉市内の自衛隊幹部宅に盗聴器設置。井上嘉浩らが教団東京総本部に火炎瓶に投げ付けるなどの「自作自演」事件。地下鉄サリン事件 死者11名、重軽傷者約3,700名。警視庁が教団施設に強制捜査開始、大量の薬品押収。国松孝次警察庁長官銑撃事件発生。
     4月  村井秀夫刺殺。
     5月  地下鉄新宿駅青酸ガス事件。警視庁が地下鉄サリン事件の殺人、殺人未遂容疑         で麻原を逮捕。東京都庁小包爆弾事件。
     6月  東京地検と東京都が宗教法人法に基づき東京地裁に教団の解散請求。
     7月  東京地裁でオウム真理教関係被告の公判はじまる。
     9月  長野、富山、新潟の3県で坂本弁護士一家の遺体を捜索し、発見。
    10月  束京地裁が宗教法人法に基づき教団に解散命令、教団側は即時抗告。
    12月  オウム真理教に対する破防法の団体規制請求を政府決定。東京高裁、解散命令に対する教団側の即時抗告を棄却、解散命令が発効。公安調査庁が破防法の弁明手続きを官報公示。
 平成8年1月  最高裁が解散命令に対する教団側の特別抗告を棄却。


 
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